多くの介護施設で取り入れられているOJT。OJT(On-the-Job Trainlning)とは、実際の職務現場において、業務を通じて上司や先輩職員が部下の指導を行う教育訓練のことを指します。それとは対象的に現場を離れての訓練が研修です。研修などの複数を同時に教えることのできる指導は、事務的な流れや基礎的なことなど、全体の基礎力や技術の統一性を図る上で必要といわれています。しかし、実践の場にでると個人の特性に合わせた応用が必要となり知識だけでは対処しきれないことが出てきます。そのため、経験の有無に関係なく、まずは先輩について業務の流れや利用者の個別性を把握できるように、ワンツーマンでの指導やOJTがほとんどの施設で行われています。
OJTの特徴は、実際に体験すると情報だけでは分かりにくい、利用者の性格や麻痺の程度などその場でしかわからないことも学ぶことができること。基礎的なことは、どの現場でも手順を覚えてしまえば同じ業務内容ですが、やはり職場の雰囲気や特色などもあるため、実際に体験してみる必要があります。人材不足が続く介護業界。指導する側も、働きながら指導することは難しいことですが、わかりやすくかつ効率良く教えるためにさまざまな工夫をしています。OJTは、新人と指導する側が一緒に成長する場でもあるのです。また、先輩職員や上司と新人のコミュニケーションツールとしても活用されており、人間関係の構築にも役立てられています。